平山郁夫シルクロード美術館WS/Makie workshop at “Hirayama ikuo Silk road art museum”

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シルクロードと日本をつなぐ漆。
11月5日は本漆を使った蒔絵の体験を、ここ「平山郁夫シルクロード美術館」で開催しました。

シルクロード、つまり「絹の道」という名称は、
中国産の絹が貴重な交易品として西アジア、インド、ローマ帝国にもたらされたことに由来しています。
絹の道は東西をつなぎ、広大な砂漠や数々の海を越えた文化や宗教、民族の交流により、新たな文化、美術や伝説、ロマンを生みだしました。

そして漆と漆の技法もまた、交流により大陸から日本に伝わりました。

例えば国宝である不空羂索観音立像(脱活乾漆造)(東大寺法華堂)。
「脱活乾漆造」の仏像は粘度で成形された原型に麻布を重ね、木粉と漆練り合わせた物で細部をつくりこみ、
漆を塗って仕上げられ、高価な漆を大量に用いる上、制作にもとても時間がかかります。
こうした日本の「脱活乾漆造」の仏像は、「漆と布だけでつくられた像」として世界的に貴重で有名なのです。
麻布を丁寧に何枚も貼り重ね、漆で細部の微妙な表現をしていく、、、
これらの造像技法は渡来人から伝えられたと言われていますが、「脱活乾漆像」の作品は中国、東南アジアには残っていませんが、
古都奈良には数多く残っています。
これらは日本の誇る大変貴重な世界遺産です。

脱活乾漆造にかかせない漆ですが、日本では約6500年前の縄文時代、
現在の福井県鳥浜遺跡にて出土された器物に塗られた物が、現存する最古の漆とされています。
古代より延々とその技術は受け継がれ磨かれ、漆器や仏像制作に使われました。
漆の特徴として、劣化しにくいことや接着・防腐効果もあります。
土器の接着・装飾に使われていたり、木製品に漆を塗ったもの、
クシなど装身具に塗ったものも縄文時代の遺跡から出土しています。
岩手県浄法寺は国産の7割以上の漆を生産し、金閣や中尊寺金色堂、日光東照宮などの国宝や重要文化財の修復に使われています。

また、日本の漆工芸は世界的に名高く、漆器を“japan”と呼ばれるほどです。
「私は、ダイヤモンドより漆器」とオーストリア、ハプスブルク家の女帝マリア・テレジアは言い、ウィーンのシェーンブルン宮殿に「漆の間」を設けた程、日本の芸術こよなく愛したそうです。
その母親の影響を受けて、フランス王妃になったマリー・アントワネットも漆器好きで、マリー・アントワネットのコレクションはヨーロッパでも質・量と随一のものとなりました。
特に金銀を用いて漆黒の地をきらびやかに加飾する蒔絵は珍重され、マリー・アントワネットら王侯貴族は競って蒔絵を求め、宮殿を飾ったそうです。

しかし残念なことに、近年国内で使用されている漆の98%は中国やベトナムから輸入されています。

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多くの方にご参加頂き、感謝感謝の一日。
完成品のシェア会を11月20日に行うことも決定し、がぜん士気の上がったWSでした。

Kintsukuroi(kintsugi) is “KAKKOII ” !!
金繕い(金継ぎ)はカッコイイ!!
By Tsukuroibito 繕イビト

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